「最近うちの子、なんだか動きが鈍くなってきた気がする…」「もしかしてシニア期に入ったのかな?」そんな不安を感じているデグーの飼い主さんは多いのではないでしょうか。デグーは犬猫と比べて寿命が短く、5歳を過ぎると急速に老化が進む場合があります。しかし、適切なケアを早めに始めることで、シニア期も元気で豊かな生活を送ることができます。本記事では、食事・環境・健康管理の3つの柱を中心に、シニアデグーの介護に必要な知識をすべて網羅しました。
デグーは何歳からシニア?知っておきたい3つの基本

シニアケアを始めるにあたって、まず「うちの子はシニアなのか?」という疑問を解決する必要があります。
デグーのシニア期は一般的に5歳前後からとされていますが、個体差があるため一概に年齢だけで判断することはできません。
この章では、シニア期の定義・平均寿命・個体差・ケアの開始タイミングという3つの基本を丁寧に解説します。
シニア期の定義と平均寿命
デグーの平均寿命は6〜8年とされており、野生下では3〜4年程度です。
飼育環境が整っている場合、10年を超える長寿個体の記録もありますが、5歳を過ぎると老化に関連した症状が出始めるケースが増えてきます。
一般的にシニア期は5歳以上と定義されることが多く、この時期からケアの内容を見直すことが推奨されています。
人間の年齢に換算すると、デグーの1年はおよそ人間の10〜12年に相当すると言われており、5歳のデグーは50〜60歳の人間に近い状態です。
つまり、5歳以降は「中高年以降の健康管理」と同様の意識でケアを行う必要があります。
個体差を理解する|早い子は4歳から老化が始まる
老化の速度には大きな個体差があります。
遺伝的な要因、これまでの食事内容、ストレス環境、基礎疾患の有無などによって、4歳頃から老化のサインが現れる個体も少なくありません。
特に、糖尿病になりやすい素因を持つデグーは、代謝機能の低下が早まることがあります。
また、複数頭飼育のストレスや、過度な運動・不適切な食事歴も老化を早める要因とされています。
「まだ4歳だから大丈夫」と決めつけず、年齢よりも個体の状態を基準にケアを始める姿勢が大切です。
毛並みの変化、活動量の低下、食欲の変化など、日常の小さなサインを見逃さないようにしましょう。
シニアケアは「早めの開始」が鍵
シニアケアで最も重要なのは、「まだ元気だから大丈夫」という判断をしないことです。
老化は突然やってくるのではなく、徐々に進行します。
老化が進んでから環境を整えようとしても、身体的な負担が増してすでに手遅れになっている場合があります。
理想的には4〜5歳になったら予防的なシニアケアを開始し、定期検診や食事内容の見直し、ケージ環境の改善を段階的に進めていきましょう。
早期にケアを始めることで、老化の進行を緩やかにし、クオリティ・オブ・ライフ(QOL)を長期間維持することができます。
見逃さないで!デグーの老化サイン10項目チェックリスト

シニアケアの第一歩は、老化のサインにいち早く気づくことです。
デグーは本能的に体調不良を隠す動物であるため、飼い主が意識的にサインを観察することが不可欠です。
以下では、外見・行動・食事の3つのカテゴリに分けて、老化サインを詳しく解説します。
【外見の変化】毛並み・体型・目の濁りをチェック
外見の変化は老化の中でも比較的気づきやすいサインです。
以下の項目を定期的に確認しましょう。
- 毛並みのツヤがなくなる・パサつく:若い頃はなめらかで光沢のある毛並みが、老化とともに乾燥してパサついてきます。グルーミングの頻度が下がることも原因のひとつです。
- 体重の減少・筋肉量の低下:シニア期には筋肉量が低下し、体全体が細くなる場合があります。週1回の体重測定で変化を記録しましょう。
- 目の濁り・目やに:白内障や結膜炎など目のトラブルはシニア期に増加します。目が曇って見えたり、目やにが増えたりした場合は要注意です。
- 爪・歯の変化:爪が伸びやすくなる、歯の色が変わる・欠けるなどのサインも老化と関連しています。
これらの変化は徐々に進むため、若い頃の写真と比較すると変化に気づきやすくなります。
【行動の変化】活動量・睡眠時間・反応速度の低下
行動の変化もシニア期を判断する重要な指標です。
活動量の低下は最も分かりやすいサインのひとつで、若い頃に比べて回し車を使う時間が減ったり、ケージ内での移動距離が短くなったりします。
また、睡眠時間の増加も典型的な老化サインです。
デグーは本来昼行性ですが、シニア期には昼間でもウトウトしている時間が長くなります。
さらに反応速度の低下として、名前を呼んでも反応が遅くなる、物音に驚かなくなるなどの変化が見られることがあります。
これらは加齢による神経系・感覚器の衰えによるものです。
ただし、行動変化は病気のサインでもあるため、急激な変化があった場合は速やかに獣医に相談することが重要です。
【食事の変化】食欲低下・好みの変化・食べ方の異変
食事に関するサインは、老化と病気の両方の可能性があるため、特に慎重に観察する必要があります。
食欲の低下は消化機能の衰え、歯のトラブル、代謝の低下など複数の要因が絡んでいます。
これまで好んで食べていたペレットや牧草を残すようになったら、食べにくくなっている可能性を疑いましょう。
食べ方の異変としては、片側の歯だけで噛む、食べこぼしが増える、時間をかけてゆっくり食べるなどが挙げられます。
これらは不正咬合(歯の噛み合わせの異常)のサインである可能性もあり、放置すると急速に体重が落ちる危険があります。
食事の変化に気づいたら、24〜48時間以内に対処することを心がけてください。
【印刷OK】今すぐ使える老化サインチェックリスト
以下のチェックリストを毎週確認することで、老化サインの早期発見に役立ててください。
- □ 毛並みにツヤ・ハリがあるか
- □ 目に濁りや目やにはないか
- □ 体重が先週と比べて10%以上変化していないか
- □ 回し車の使用頻度は維持されているか
- □ ペレット・牧草の食べ残しはないか
- □ 排泄物の形・量・色は正常か
- □ 名前への反応・接触への反応は正常か
- □ 呼吸がゆっくり・浅くなっていないか
- □ 足腰のふらつき・よたつきはないか
- □ 毛並みのハゲ・かさぶた・皮膚の異変はないか
このチェックリストを印刷してケージの近くに貼っておくと、毎日の観察が習慣化しやすくなります。
3項目以上に変化が見られる場合は、早めに動物病院への相談を検討してください。
シニアデグーの食事ケア|食べ方を変えるだけで健康が変わる

食事はシニアデグーの健康を支える最も重要な柱のひとつです。
若い頃と同じ食事を続けていると、消化機能の衰えや歯のトラブルによって栄養不足に陥るリスクがあります。
少しの工夫と見直しで、シニア期の食事管理は大きく改善できます。
ペレットの選び方と与え方の工夫
シニアデグーに適したペレットを選ぶ際には、以下の3点を重視してください。
①糖分・脂質が低いこと:デグーは糖尿病になりやすい動物であり、シニア期は特に代謝機能が低下するため、糖分・脂質の高いペレットは厳禁です。
②粒の大きさと硬さ:歯が弱くなったシニアには、粒が小さく柔らかいペレットが向いています。
硬いペレットを食べにくそうにしている場合は、少量の水でふやかして柔らかくする方法も有効です。
③高繊維・高タンパク質:消化機能の低下を補うために、食物繊維が豊富なものを選びましょう。
与え方の工夫として、1日2〜3回に分けて少量ずつ提供することで食べ残しを防ぎ、消化への負担を軽減できます。
1回の量はデグー1頭あたり約3〜5gが目安ですが、体重の変化を見ながら調整してください。
牧草は「質より食べやすさ」を優先する
牧草はデグーの食事の主軸であり、シニア期でも欠かせません。
しかし、歯が弱くなったシニアデグーには、高品質だが硬い牧草よりも食べやすさを優先した牧草選びが重要です。
チモシーの中でも2番刈り・3番刈りは1番刈りに比べて柔らかく、シニアの歯に優しい選択肢です。
またオーチャードグラスやアルファルファ(少量)も柔らかめで食べやすい牧草として活用できます。
牧草を短く切って提供する、牧草ラックの高さを低くして食べやすい位置に設置するなどの物理的な工夫も効果的です。
牧草の摂取量が激減した場合は歯のトラブルを疑い、獣医への相談を優先してください。
水分補給の重要性と脱水を防ぐ工夫
シニアデグーは若い頃に比べて口渇感が鈍くなるため、積極的に水を飲まなくなる傾向があります。
脱水は腎機能低下・便秘・体温調節障害などを引き起こす危険があり、シニア期の大きなリスク要因です。
給水ボトルのノズルが劣化して出が悪くなっていないか、月1回は確認しましょう。
給水ボトルの高さを下げて飲みやすくする、または浅い皿型の水入れを追加して複数の給水ポイントを作ることも有効です。
1日の飲水量の目安はデグー1頭あたり10〜20ml程度とされています。
明らかに飲水量が減少した場合は、水分を含む野菜(少量のキュウリなど糖分の低いもの)を与えることも一時的な対策になります。
食欲が落ちたときの緊急対応
デグーが24時間以上ほとんど食事をしない場合は緊急サインとして対応が必要です。
まず、ペレットをぬるま湯でふやかしてペースト状にし、スプーンやシリンジで少量ずつ口元に近づけてみましょう。
強制給餌は獣医の指導のもとで行うのが原則ですが、自力で食べない場合はできるだけ早く動物病院を受診してください。
デグーは消化管が弱く、食事が止まると腸内環境が急速に悪化するリスクがあります。
好物(乾燥ハーブや少量の野菜など)で食欲を刺激する方法も試みる価値があります。
ただし、甘いおやつやフルーツは糖分が高いため、緊急時でも与えすぎに注意してください。
シニアに優しいケージ環境の作り方|5つの見直しポイント

シニアデグーの生活環境を整えることは、怪我の予防・体への負担軽減・ストレス解消に直結します。
若い頃と同じレイアウトを維持していると、老化した身体には過度な負担がかかっている可能性があります。
以下の5つのポイントを順番に見直してみましょう。
段差は「半分以下」に|落下事故を防ぐ配置
若いデグーは高い棚や急な段差を軽々と乗り越えますが、シニア期になると筋力・バランス感覚が低下し、落下事故のリスクが大幅に上がります。
ケージ内の棚・ステップの高さを現在の半分以下に抑えることを目標にレイアウトを見直しましょう。
棚と棚の間に傾斜のあるスロープを設置したり、中間ステップを追加して段差を細かく刻んだりすることで安全性が高まります。
また、高い位置の棚はケージ内の最高位でも20〜25cm以下を目安にすることが推奨されます。
落下した際のクッションとして、ケージの底部には柔らかい床材を厚めに敷いておくことも忘れないでください。
床材は足腰に優しい素材を選ぶ
シニアデグーは関節炎を発症しやすいため、足腰への負担を最小限にする床材選びが重要です。
推奨される床材は以下の通りです。
- 紙製床材(ペーパーチップ):柔らかく吸湿性も高い。足への負担が少なく最もおすすめ。
- フリース素材のマット:洗って繰り返し使用でき、クッション性が高い。ただし排泄物の清潔管理に注意。
- 牧草を床材として活用:自然素材で柔らかく、食べることもできるため一石二鳥。
避けるべき床材は、金属製のメッシュ底(爪が引っかかる)、スノコ(隙間に足が入る)、硬い木材チップなどです。
床材は3〜5cmの厚さで敷くことで、関節への衝撃を効果的に吸収できます。
温度・湿度管理はより厳密に|適温20〜25℃を維持
デグーにとって適切な飼育温度は20〜25℃、湿度は40〜60%が理想とされています。
シニア期になると体温調節機能が低下するため、若い頃に比べて温度変化の影響をより強く受けます。
夏場の熱中症リスクと、冬場の低体温症リスクの両方に注意が必要です。
ケージ内にデジタル温湿度計を設置し、常時モニタリングできる環境を整えましょう。
エアコンを24時間稼働させることが理想ですが、難しい場合は保温電球(パネルヒーター)やセラミックヒーターをサーモスタットと組み合わせて使用する方法が有効です。
外出時や夜間も温度が保たれるよう、タイマー付きのエアコン設定を活用してください。
寝床は複数箇所に用意して移動距離を減らす
シニアデグーは1か所で長時間過ごすことが増えるため、寝床をケージ内の複数箇所に分散配置することで移動距離を減らし、体への負担を軽減できます。
理想的には、低い位置・中間の位置それぞれに寝床を1つずつ用意し、その日の体調に応じてデグーが自分で選べるようにしましょう。
寝床の素材は柔らかいフリースや綿素材のものが適しており、洗濯可能なものを選ぶと衛生的です。
また、食器と給水ボトルをできるだけ寝床の近く(30cm以内)に配置することで、水と食事へのアクセスが楽になります。
トイレも同様に近くに配置し、移動距離を最小化する設計を心がけましょう。
【図解】ビフォーアフターで見るレイアウト改善例
以下にシニアケアを意識したケージレイアウトの改善イメージをまとめます。
| 項目 | ビフォー(若い頃) | アフター(シニア仕様) |
|---|---|---|
| 棚の高さ | 40〜50cm(高段差) | 15〜20cm(低段差+スロープ) |
| 床材 | 金属メッシュ・スノコ | 紙製チップ3〜5cm厚敷き |
| 寝床の数 | 1か所(上段) | 2〜3か所(低・中間) |
| 給水場所 | 1か所(上段) | 2か所(低い位置にも追加) |
| 回し車 | 通常サイズ・高い位置 | 低い位置 or 体力に合わせ撤去 |
このような改善を段階的に行うことで、デグーが安全・快適に過ごせる環境を実現できます。
日常の健康チェック習慣|異変を早期発見する3つの方法

シニアデグーの健康管理において、毎日・毎週の観察習慣が命を救うことがあります。
以下の3つの方法を日課として取り入れることで、異変の早期発見が大幅に向上します。
週1回の体重測定を習慣にする|記録シート付き
体重変化はデグーの健康状態を客観的に把握する最も信頼性の高い指標です。
成体デグーの標準体重は200〜400g程度(個体差あり)で、1週間で体重の10%以上の変化があった場合は要注意です。
毎週同じ曜日・同じ時間帯(例:日曜の朝食前)に測定し、グラフや記録シートに書き留める習慣をつけましょう。
スマートフォンのメモアプリや市販の手帳でも構いません。
記録シートの作成例:日付・体重・食欲(5段階)・活動量(5段階)・排泄状態(正常/異常)・備考の6項目を毎週記録するだけで、異変のパターンを早期に把握できます。
この記録は動物病院を受診した際にも非常に役立ちます。
毎日の「触診タイム」で体の変化を感じ取る
毎日デグーを手に乗せたり撫でたりする際に、意識的に身体を観察する「触診タイム」を設けることをおすすめします。
確認すべき主なポイントは以下の通りです。
- 肋骨が浮き出ていないか(急激な痩せのサイン)
- お腹に硬いしこりや膨らみがないか
- 毛並みにハゲや皮膚炎がないか
- 四肢・関節に腫れや痛みの反応がないか
- 耳の内部が清潔か(耳だれや異臭)
触診は1〜3分程度で構いません。
デグーが嫌がる場合は無理をせず、慣れた状態で行いましょう。
日常のスキンシップを通じた触診は、デグーとの信頼関係強化にも繋がります。
排泄物は健康のバロメーター|正常と異常の見分け方
デグーの排泄物は健康状態を直接反映する重要な指標です。
正常な糞は丸みのある楕円形・均一な茶色・適度な硬さが目安です。
異常のサインとして注意すべき状態は以下の通りです。
- 細い・小さい・数が著しく少ない → 消化管の動きが低下している可能性
- 柔らかい・泥状・水っぽい → 下痢・腸炎の可能性
- 白っぽい・黄色い → 肝機能異常の可能性
- 血が混じっている → 緊急受診が必要
排泄物の変化は食事内容の変化でも起こりうるため、食事を変えた日から3日以内に改善しない場合は獣医への相談が必要です。
シニアデグーの運動と休息|適度なバランスの取り方

シニア期だからといって運動をゼロにする必要はありません。
適度な運動は筋力維持・代謝促進・ストレス解消に不可欠です。
ただし、若い頃と同じ運動量を維持しようとすると関節や心臓への負担が大きくなります。
「適度な運動と十分な休息のバランス」を意識することが鍵です。
回し車は撤去すべき?継続すべき?
回し車の扱いについては、デグーの体力・行動・健康状態に応じて判断することが重要です。
元気よく回し車を使っているシニアデグーに対して、一方的に撤去する必要はありません。
ただし、以下のいずれかに当てはまる場合は撤去または使用制限を検討してください。
- 回し車に乗ろうとしてふらつきや転倒がある
- 心臓疾患・関節炎などの診断を受けている
- 回し車の使用後に明らかに疲弊している
- 1日あたりの回転数が著しく減少している
回し車を残す場合は、低い位置に設置し、直径が20cm以上のものを選ぶと背骨への負担を軽減できます。
撤去する場合は、代わりとなる運動機会(部屋んぽなど)を確保してください。
部屋んぽの時間と頻度の調整
部屋んぽ(ケージ外での自由運動)はシニアデグーにとって非常に有益な活動です。
ただし、シニア期は1回15〜30分・週3〜5回程度を目安に、疲れのサインが出たら早めにケージに戻す判断が必要です。
部屋んぽのスペースは段差・すき間・危険物を排除し、安全なエリアを確保してください。
特にシニアは転倒時に骨折リスクが高まるため、滑りやすいフローリングの上では必ずマットを敷くことが鉄則です。
疲れのサインとしては、動きが止まる・平たく伸びて休む・呼吸が速くなるなどが挙げられます。
これらのサインが見られたらすぐに部屋んぽを終了し、水分補給を促しましょう。
休息を促す環境づくり
シニアデグーには十分な休息が欠かせません。
静かで安心できる休息スペースを確保するために、以下の点を意識してください。
ケージを騒音の少ない場所に設置し、テレビや大きな音の発生源から離しましょう。
また、直射日光や強い光が当たらないように遮光カーテンなどで調整することも重要です。
シニアデグーは昼間でも休んでいることが多くなります。
無理に起こして遊ばせようとせず、デグーのペースを尊重した関わり方を心がけましょう。
暗めのハウスや布をかけた隠れ家スペースを複数用意することで、安心して休める環境を作ることができます。
サプリメント・補助食品の考え方|必要なケースと選び方

シニアデグーへのサプリメント使用は近年注目されていますが、すべての個体に必要なわけではありません。
適切な判断のもとで活用することが重要です。
サプリが有効なケース・不要なケース
サプリが有効なケースとして、以下が挙げられます。
- 食欲低下により食事から十分な栄養が摂れていない
- 関節炎の症状がある(グルコサミン・コンドロイチン系)
- 免疫力の低下が懸念される
- 毛並みの劣化・皮膚トラブルがある(オメガ3系)
サプリが不要なケースは、バランスの良い食事が確保できており、体重・活動量ともに安定している健康な個体の場合です。
健康な個体へのサプリの過剰投与は、逆に腎臓・肝臓への負担になることがあります。
まず食事内容の見直しを優先し、サプリは補助的な位置づけで活用しましょう。
選ぶときの3つの基準|獣医への相談が前提
サプリメントを選ぶ際には必ず獣医への相談を前提とし、以下の3つの基準で評価してください。
①小動物・デグーへの適応実績:犬猫用サプリをそのまま使用するのは危険です。必ず小動物向けの製品、またはデグーへの使用実績がある成分を確認してください。
②添加物・糖分の少なさ:デグーは糖分に敏感なため、フルーツフレーバーや糖分の高いサプリは避けるべきです。
③用量の調整のしやすさ:液体タイプまたは粉末タイプは体重に応じた用量調整が容易です。
市販のビタミンCサプリ(水溶性で糖分ゼロのもの)は獣医の指導のもとで活用されることがありますが、与えすぎると尿路結石のリスクも考えられます。
自己判断での使用開始は避け、必ず獣医に相談してから導入してください。
シニア期こそ大切な動物病院との付き合い方

シニアデグーのケアにおいて、信頼できる動物病院との関係を築くことは最重要事項のひとつです。
デグーのような小動物・エキゾチックアニマルに対応できる病院は限られているため、事前のリサーチが不可欠です。
エキゾチック対応の病院を事前に探しておく
デグーは犬猫と異なり、診療できる獣医師が限られています。
「エキゾチックアニマル対応」または「小動物専門」と明記されている病院を、元気なうちに事前に調べておくことが重要です。
緊急時に慌てて探すよりも、普段から信頼できる病院を把握しておくことで、治療の開始が早まります。
自宅から30分以内に受診できる病院と、緊急時のための夜間対応病院の2か所を把握しておくのが理想的です。
初診時に「デグーの診療経験はどのくらいありますか?」と確認することも、信頼できる病院選びのポイントです。
半年に1回の定期検診で安心を得る|費用目安も解説
シニアデグーには半年に1回の定期検診を強く推奨します。
定期検診では、体重測定・歯のチェック・腹部触診・目耳の確認・必要に応じた血液検査・レントゲン検査などが行われます。
費用の目安は病院・地域によって異なりますが、一般的な定期検診(触診・基本確認)で3,000〜6,000円程度です。
血液検査を追加する場合はさらに5,000〜10,000円程度が加算されることが多いです。
費用を抑えたい場合でも、年1回は血液検査を含む総合検診を受けることが推奨されます。
早期発見・早期治療によって長期的な医療費を抑えられることを考えると、定期検診への投資は決して無駄ではありません。
緊急時に慌てないための準備リスト
シニアデグーを飼育する際は、緊急事態に備えた準備を事前に整えておきましょう。
- かかりつけ病院の電話番号・住所・診療時間をスマートフォンに登録
- 夜間・休日対応の緊急動物病院をあらかじめ検索しておく
- 移動用のキャリーを常備し、温度管理用のカイロや保冷剤を準備
- 体重記録・投薬履歴などの健康記録を持ち歩けるようにまとめておく
- ペット保険への加入を検討する(シニア期は特に医療費が増加しやすい)
緊急のサインとして、呼吸困難・痙攣・意識消失・出血・24時間以上の絶食などが見られた場合は、ためらわずに病院へ直行してください。
シニアデグー飼育のよくある質問

シニアデグーの飼育に関して、飼い主さんからよく寄せられる疑問にお答えします。
Q. シニアになったら多頭飼いは解消すべき?
A: 必ずしも解消する必要はありません。デグーは社会性の高い動物であり、仲間の存在がストレス軽減に繋がります。ただし、若い個体が激しく動き回ることでシニア個体が怪我をするリスクがある場合や、シニア個体が若い個体に圧倒されてストレスを感じている場合は、別ケージに移すことを検討してください。同居を続ける場合は、シニア個体専用の隠れ家や寝床を設けることが重要です。
Q. 寝てばかりいるのは病気のサイン?
A: シニアデグーが睡眠時間が増えること自体は老化の自然な変化です。しかし、食欲低下・体重減少・排泄の異常が同時に見られる場合は、病気のサインである可能性があります。睡眠が増えていても食欲・体重が安定しており元気そうであれば、まずは経過観察で構いません。変化が急激・複合的に現れた場合は獣医に相談してください。
Q. シニア期から飼い始めても大丈夫?
A: 大丈夫です。シニアデグーを引き取ることは非常に意義深いことです。ただし、初期から健康診断を受けて現在の状態を把握した上でケアを始めることが重要です。シニア個体は環境変化へのストレス耐性が若い個体より低い場合があるため、新しい環境への慣らしは特にゆっくりと時間をかけて行いましょう。信頼できる獣医と連携しながら、愛情を持って関わることで絆を深めることは十分可能です。
Q. 介護が必要になったらどうすればいい?
A: 自力での移動・食事が困難になった場合は、獣医の指導のもとで介護ケアプランを立てることが最優先です。流動食(ペレットを溶かしたもの)のシリンジ給餌、排泄補助(温かいタオルでお腹を刺激する)、寝たきり個体への褥瘡(じょくそう)予防(体位変換・柔らかい寝床の維持)などが主な介護内容です。飼い主の精神的な負担も大きいため、信頼できる獣医やデグーコミュニティのサポートを積極的に活用してください。
まとめ|シニアデグーと豊かに暮らすために今日からできること
シニアデグーのケアは決して難しいものではありません。
大切なのは「早めの気づき」と「毎日の小さな積み重ね」です。
今日からすぐに始められることを以下にまとめました。
- 老化サインチェックリストを印刷してケージの近くに貼る:毎日の観察を習慣化する最初の一歩です。
- 週1回の体重測定と記録を開始する:健康状態の客観的な把握に最も効果的な方法です。
- ケージのレイアウトを見直す:段差を減らし、寝床と給水場所を増やすことで今日から安全性が上がります。
- エキゾチック対応の動物病院を事前にリサーチする:緊急時のために今のうちに調べておきましょう。
- 食事内容を見直す:シニア向けのペレットへの切り替えや、牧草の柔らかいものへの変更を検討してください。
シニア期はデグーにとって穏やかで幸せな時間になり得ます。
飼い主であるあなたのケアと愛情が、デグーの晩年を豊かなものにする最大の力です。
今日から一つでもできることから始めて、大切なパートナーと長く豊かな時間を過ごしてください。


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